Please Smile 6/6.

笑顔をください。6/6.

真っ暗になった世界聴こえてくるニュース

「昨日〇〇県〇〇市の遊園地で起きた観覧車の墜落事故によりアルバイトの10代の男性が意識不明の重体、墜落したゴンドラに乗っていた30代の女性は病院に搬送されましたが、到着した時点で心肺停止、その後死亡が確認されました。女性の娘さんで栞ちゃん5歳は依然重体のまま、予断を許さない状況です。そして事故当時墜落した観覧車の下に居た女性ですが現場で死亡が確認され即死だったという事です。警察は遊園地側の過失致死傷を含め関係者の事情聴取に取り掛かるとの事です。以上。〇〇県〇〇市の遊園地で起きた観覧車の墜落事故のニュースをお届けしました……」

真っ暗な中豚の耳に響くその声に、何も出来ず立ち尽くしている豚。

豚　「……そうか、僕、あの日死んだんだ。あの子も、あのお婆さんも、あの女性も、みんなあの日死んだんだ。
でも、どうして、みんな笑ってられるんだろう……　僕はそんな事実すら頭の外に放り投げて豚の頭被って逃げていたのに。みんなは、あたたかい顔で笑っている。僕だけ、笑えない。まだ行生きたかった。死にたくなんてなかった。空っぽの理由がわかった。わかりたくなかっただけだった。ごめんね。もう頑張らない。だからさ、最後に一つだけお願いを聴いてください。どうか、笑っていてください。僕の居ない世界でも笑っていてください。そしてそんな笑顔を届けて下さい。空っぽの心にあったかくて優しい…… 笑顔をください。」

と、真っ暗な世界の中豚の頭を脱ぐと、瞼を閉じたままゆっくりと頭の上に広がる世界を見上げ、静かに瞼を開いていくと
優しい風がぴゅぅと豚の髪をなで、開いた目の前に広がる世界の闇を吹き飛ばしたかと思うと
これまで、真っ暗っだった世界に灯りが灯り、見上げた夜空の視線の先には
真ん丸で奇麗に輝く月が映る。

豚　「さようなら。僕の居ない世界でも笑っていてね。」

豚　「まん丸なこの世界が笑顔で溢れますように。」

豚　「笑顔をください。」

その日、夜空に一つ見た事もないキラキラと輝く星が増えたらしい
その星を見た人たちは、自然と頬を緩ませ、笑顔になったらしい

超短編ブログ用、【笑顔をください】
おしまい。

Hello,How are you doing today?
I hope you have a Great New week.
May a good wind blow all over the world.
See you Tomorrow……

自分は何も決めずタイトルだけでいつも本を書きます
なのでどうなってどう終わるかはいつも終わってみるまでわかりません。
だから、今回この様なブログで一日一日紡いでいても急に展開が変わることもあったかもしれません。もしかしたらラブストーリーにもなっていたかもしれません。しかし今回は寂しいお話になってしまいました。お盆だからでしょうか。自分でもわかりません。

でも今週も最後まで見ていただき
あたたかいコメントをたくさんいただきありがとうございました。
どうか、来週もあたたかく穏やかな日々でありますように
優しい風が吹きますように
また明日
どうしよう。笑
笑顔でいて下さい……

Akihiro Takahashi