Please Smile 2/3.

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笑顔をください。2/3.


閉園間近の園内ぼぉっと灰色の月を見つめ、
ふわふわと紐を握った先に、風に揺られ浮く風船のように
空っぽの心で影をなくした豚は、静かに立っている。


豚 「……」

豚の目に映る世界は、夜の闇も、まん丸な月の色も、園内を照らす街灯も、乗り物の明かりも
みんな一緒の灰色、白黒に見えている、そして豚の足元には影が無い。
そんな、ぼぉっと立ち尽くしている豚の方へ、真っ直ぐに母親だろうか、の腕を引きながら
近寄って来る、女の子。
いくつくらいだろう、まだ幼い。肩のあたりまで伸びた柔らかい髪が夜風になびく
泣いていたのだろうか目にはいっぱいの涙をため、今にも雫がこぼれそう


母 「もう、栞、いい加減にして。それどころじゃないんだから、もうこんな時間だよ…… 早く帰らないと、
   おばあちゃん心配すでしょ?」

栞 「ブタさんに風船もらうの……」
母 「貰ったってすぐに、しぼんじゃうよ。明日にはなくなっちゃうんだから……」
栞 「いいの。もらうの。」
母 「もういい加減にしてよ。ママが怒られるんだからね。」

と、その声に腕を掴んでいた女の子の手の力がすぅと抜け、足を止めると女性の方へ振り返り
じぃと顔を見つめる女の子。

栞 「ママ、ババにおこられるの? どうして? なんにも悪いことしてないのに?」
母 「約束の時間までに栞が帰らないと、もう会えなくなっちゃうよ……」

栞 「なんで? どうしてママは栞といっしょに帰らないの? おウチに入ったらババが怒るの?」
母 「んんん。ババじゃない……」
栞 「じゃあ誰が怒るの? パパはもうずっとお仕事で帰ってこないし、ジジは早く寝てるし、ババだってコロコロしてるし、誰もママの事怒らなよ」
母 「違うよ。ママもね、遠くでお仕事だから、栞ともっとに居たいけど、お休みの少しの時間だけ栞に会いに来てるの。ババは栞が心配だから、何時までに帰してって言

われてるの。お約束してるの。ママもお仕事行かないといけないから、もっと一緒に居たいけど、ママが遅れたら困る人達がいっぱいいるから、ママ怖い大人に怒ら

  れちゃうの」
栞 「……栞がやっつける。」
母 「栞じゃ勝てないよ、すごく怖いんだよ…… 鬼みたいな顔してるんだから」
栞 「怖くないもん。ママのことイジメるのは嫌だから、栞がやっつける。」
母 「……栞、ありがとう。でももし栞が言うこと聞いてくれたら、栞がやっつけなくてもママ怒られないよ」
栞 「でも、もうちょっと一緒に居たいの。あの風船貰ったら帰るから……」
母 「……わかった。でも栞、風船嫌いって言ってたのに…… すぐにお空にいなくなっちゃうから嫌いって」
栞 「好きになったの……」
母 「ふっ…… わかった。行こう豚さんに風船貰いに」
栞 「ねぇ、ママ?」
母 「何?」
栞 「好き。」
母 「……ママも栞の事大大大好きだよ……」
栞 「ママ、風船好きでしょ?」
母 「え? ママそんな事言ったっけ?」
栞 「だって、おウチにあるお写真に風船持って笑ってる写真があった。ママいっぱい笑ってた……」
母 「そんな写真あったっけ……?」
栞 「ママ、ずっとあの写真みたいに笑ってない。」
母 「え、ママ笑ってるよ?」
栞 「んんん。」
母 「栞、ママに笑ってほしくて風船貰いに行こうとしてたの?」
栞 「……」
母 「栞?」


と、俯き寂しそうな表情を浮かべると、母に背を向け豚の方へ駆けていく女の子
そんな女の子のまだ小さな背中を見つめ、心がギュゥッと苦しくなる母

母 「……」

つづく……


こんにちは

今日は曇り空の水曜日。少し気温も湿度も下がり時たま吹く風が優しく感じました。
それでも汗をかく自分ですが、今日は体がバキバキです。笑

今日もありがとうございました。
明日が良い一日でありますように
優しい風が吹きますように
また明日
紡ごう。


Hellow,How are you doing today?
I’m sorry I couldn’t handle the translation of the post.
Because translation software cannnot transkate well……
Have a Great tomorrow and may a good wind blow all over the world.
Thank you
see you Tomnorrow……


Akihiro Takahashi

コメント

  1. ふらーと より:

    昨日も今日も切なくて、喉の奥がチリチリします。
    明日にはどの登場人物も笑顔になっていればいいけど…。

  2. 風空 より:

    この後ろ姿の絵は何度見ても胸がキュッとなります…
    そして栞ちゃんの、お母さんを想っての健気な行動にも、切ない気持ちになってしまいました。。
    お疲れのところ、今日もこうして絵と物語を届けてくださり、アキさんありがとうございます。😌

  3. 信乃 より:

    今日も有難うございます。
    お忙しいにも関わらず、毎日更新して下さるお心遣いが嬉しいです。

    母子との交流が、豚さんの世界に色を付けてくれるのか…
    続きを楽しみに拝読してます。

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